今回のシリーズのテーマは「歯石」です。
歯石の原因と治療法(除去)について、7回に分けて、ご紹介していきます。
歯医者で歯垢(しこう:歯についた汚れ)を取るとか、歯石(しせき:さらに石灰化したもの)を取るとか、よく耳にする言葉ですが、歯垢と歯石は違うものです。歯の表面や、歯と歯茎の間などを爪で引っかいたりすると、爪に白い粘々したものが付着することがあると思いますが、それが歯垢やプラークと呼ばれるものです。歯垢は、見た目が非常に似ていますが、ごはんの残りかすではなく細菌です。
歯垢は唾液に含まれるカルシウムやリンと結びつき、石灰化することにより歯石になります。
歯垢が石灰化して歯石となるのに2日ほどかかると言われています。
虫歯や歯周病の原因は、歯石ではなく歯垢です。歯石そのものには、虫歯や歯周病を引き起こす理由となるものがありません。
なぜなら、歯垢が唾液に含まれるカルシウムやリンと結びつき石灰化すると、歯垢に含まれる虫歯や歯周病の原因となる細菌が死滅するからです。
しかしながら、歯石そのものには虫歯や歯周病の原因となるものがないのは事実なのですが、歯石は表面がざらざらしているため歯垢が付きやすく、その歯垢が虫歯や歯周病をおこしやすくなります。
すなわち、間接的に、歯石が「虫歯や歯周病」の原因を作っているのです。
そして、歯石に付いた歯垢を除去する容易ではありません。歯石に歯垢が引っ切り無しに付着していきますので、歯の上に歯垢がどんどん増殖していくのです。
現在、30歳代の8割、60歳代の9割が歯周病にかかっていると言われています。また、ほとんど全ての人に歯石が付いていると言われています。歯周病のあるひとのほとんど全てに付着しています。
歯垢があるから、歯石ができ、歯石があるから歯垢が付きやすくなり、その結果として虫歯や歯周病にかかるのです。
歯石を除去するには?
歯垢は歯磨きである程度は除去できますが、歯石は非常に硬く、歯磨きでは除去できません。また、自然に歯石が分解することもありません。
したがって、虫歯や歯周病を予防するためには、歯垢や歯石を歯科医院で除去してもらう必要があります。
定期的に、例えば3か月に一度、あるいは半年に一度の頻度で、歯科医院に通い、デンタルクリニックを受診し、スケーラーと呼ばれる器具を使って歯垢や歯石を除去してもらうことが虫歯や歯周病の予防につながります。もちろん、毎日の歯磨きやデンタルフロスなどを使った歯の手入れの毎日の習慣も大事であり、歯垢がつくことを防ぎます。
結局、除去するには歯医者さん(審美歯科で解決!)のチカラが必要なのです。そうならないように毎日歯磨きをする事は非常に大切なことです。 続き ⇒ 歯垢は染め出し剤で判断できます。その安全性について