日本人は歯医者でデンタルクリーニングしない

    歯石ができるメカニズム、歯石を予防するには正しい歯磨きが大事であることを記してきましたが、ところで、歯医者に日本人がどれくらいの割合や頻度で通っているのでしょうか?

日本人はあまり歯医者に通わないために、歯石をもつ人が多くいるということは言えるのでしょうか?
あるいは、日本人の歯磨きには、欧米人と違う特徴があって、そのために歯石をもつ人が多くいるということは言えるのでしょうか?

haisya[1]2012年12月31日現在、全国の届け出「歯科医師数」は102,551人で、男性歯科医80,256人、女性歯科医22,295人となっています。人口10万人に対して、歯科医師数80.4人となっています。

ちなみに、全国の医師(歯科医を除く)数は約30万人です。また、北米(米国、カナダ)の歯科医師数は人口10万人に対して60人程度となっています。
日本では歯科医師の経営難や廃業のニュースが多くあり、歯科医師数が過剰だと言われています。

一方で、北米では歯科医師数が過小だと言われています。この違いは、定期検診の受診率の違いにあると言われています。

定期検診の内容は、文字通り、定期検診とブラッシング指導です。デンタルクリーニングは含まれません。定期検診の受診率は、北米60%程度であるのに対して、日本ではわずか16%です。


日本の定期検診の受診率16%では、歯石をとるチャンスが極めて低いことがわかります。

デンタルクリーニングをしない限り歯石を取ることはできませんが、デンタルクリーニングは定期検診を受診したうえで行われるからです。したがって、定期的に歯科医で歯石をとってもらっている人は、どんなに多くても16%で、現状は16%よりも遥かに小さな割合だと推定されます。

2011年、都道府県歯広報担当理事連絡協議会が歯科医師会館で開催され、「歯科医療に関する一般生活者意識調査」で、55%の人が歯や口腔に異常を感じており、そのうち、治療をおこなっている人がいるひとが16%に留まることが発表されました。

このように、歯や口腔に異常を感じる人の割合が高いにも関わらず、歯科治療の割合が非常に低い状況となっています。

dental_fross_boy[1]次に、日本人の歯磨きについては、北米で60%の人がデンタルフロスを使っているのに対して、日本ではデンタルフロスの使用は15%に留まります。

デンタルフロスを使うことで、歯と歯の間の歯垢を取り、歯石になることを防ぎます。したがって、日本人はデンタルフロスを使わないため、歯と歯の間に歯垢や歯石を付きやすくしていると考えられます。

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